空蝉日記帳

ひとりごと。

#1 飲酒日記

飲みたい気分だったから、酒を飲んだ。

美味しくもないのに。

と言うと商品に失礼な気がするから言い直しておく。

「○○の酒が美味しくない」んじゃない。

「酒が美味しくない」んだ。

チューハイにありがちな、あの変なアルコールの苦み。あれ。あれが駄目だ。

酒が弱いとか、飲めないとか、そういうわけではない。

ただただ好きじゃない。苦いから。

おまけに頭は痛くなるし、吐き気だって起こるし、足元だっておぼつかなくなる。

脳だって動かなくなる。これはいつもだけれど。

 

チョコレートリキュールは好きだ。だって甘いから。

特別薄めて飲んでいるからだろうが、酷く酔うこともないし、何より甘い。甘いということはつまり幸福。あれは美味しい。

ならば普通のチョコレートシロップを牛乳に入れて飲めばいいのではないか?リキュールを買う必要はあるか?

否、ない。別に酔いは求めていないから。ただ甘いものが飲みたいだけ。

 

ならどうして僕は酒を買うんだろうか。

酔った頭で考えても、というか酔っていない頭でも、きっと答えは見つからない気がする。

分からない。なんで買ってなんで飲んでいるんだろう。

一つ理由をピックアップするんだとしたら、恐らく自傷行為の一つだと思う。

買う時は大体テンションが低かった気がするから。

それに体調が悪くなることを知ってて飲むんだからまぁそういうことなんじゃないか。

もしくは普通に依存症状かどちらか。20になってまだ半年だというのにもうこれか。先が怖い。

 

飲んでも身体が怠くなるだけであるから、正直特別酔っている、という気分にもならない。ただ、怠い。眠い。

ここだけ見たら普段の自分と何一つ変わらない。そう、変わらない。本当に酒を飲む意味がない。

変わることといえば、普段口に出し慣れていないはずの暴言や嫌味事がすらすらと出てくることだけ。相手は無論人間ではなく、某四角いゲームの弓矢持ちスケルトンだったりだとか、某一列並べて消すパズルゲームで操作をミスした時とか、そういうただの独り言だけれど。

いざ口から自分の声でそれが出てくると嫌になる。自分もこういうことを言おうと思えば言える人間なんだなと。

よく考えなくてもそれはそうだけど。聖人でも神様でもないし。

ただまぁ、それを普段表に出さないようにするだけの理性と判断力はちゃんと機能しているのだと実感できる。その点だけは良いことかもしれない。そこは褒めよう。自分を。

空気も人の心も読めないが、人の悪口は言わないし、人に暴言も吐かない。それは普通に偉い。

いや、思い出せば人に向かって言ったこともあるかもしれない。が、今思い出せないならそれは関係ない。

悪いことは悪いと知って、理解して、それを守ろうとしている。偉い。ちゃんと人間をこなしている。偉い。僕はもしかして偉いのか。

 

文の中でも感情が不安定なのは、最早天才なのではないかと思えてきた。

きっとテンションを調整する針が振りきれて壊れているんだ。壊れた量りと同じ。ぐるぐる、0から100をぐるぐる回っている。何を乗せてもぐるぐる。ぐるぐる。

 

楽しいことも確かにあったはずなのに、文章に起こすと何やら雰囲気が陰鬱になるのはどうしてなんだろうか。

自分はそんな不幸な毎日を送っているわけではない、はず。今日だって、ほら、あれだ。

好きなお菓子が特別安く買えたし、夕飯にはカレーを食べたし、久々に食べたじゃが〇こは美味しかった。

最近はすっかり一日一食生活が基本になっていたが、まだ食べ物を美味しいと感じる機能はあるようで何よりだ。これと睡眠欲があるならばギリギリ人間と言えるだろう。

いや、自己実現理論に自分を当てはめてみろ。お前はしっかり人間だ。

 

また何が言いたいのかがさっぱり分からない。ただでさえ使っていない脳が酒で溶けている。

要は、食事は面倒だが、お菓子は美味しいということ。あと酒は美味しくないということ。それだけ。

いい加減瞼が重い。寝よう。