空蝉日記帳

ひとりごと。

#24 性別日記

髪を切ってきた。

 

今日のビッグイベントとしてはそれ。

何ヶ月ぶりだろうか、美容院に行ってきた。

今まで幾度とブリーチを繰り返し、傷みに傷んだボサボサノの髪が、少しマシになった。

というか、それ以前にすごく短くなった。

襟足がない。初めての経験だ。

 

唐突に髪を切りたくなったのは、まぁ自分の中ではよくある理由。

無性別人間になりたかった。

元より性自認が曖昧で、男っぽくなったり女っぽくなったりを繰り返していたが、

大人になっていくにつれて、だんだんと見た目の好みが男寄りになってきた。

…と、ずっと思っていたけれど、

最近、自分は男になりたいわけじゃなくて、ただ性別を消したいだけなんじゃないかと思い始めてきた。

 

無性別というか、なんだ。

いわゆる、”かっこいい女性”とか、”かわいらしい男性”とか、

そういうちぐはぐな個性が好きなんだと思う。

言動が荒々しくて口調が強い女が好きだし、

逆に、なよなよとしていて髪が長い、弱々しい男が好き。

これもある意味、性別のステレオタイプに引っ張られているだけかもしれないけれど、

男性らしい女と、女性らしい男に、憧れを抱きやすい。

”どちらでもない”人が好きなんだろうな。ジェンダーレスといっていいのかはわからないけど。

 

ただ、こうして髪を切ってみた今日、初めて明確に、自分の身体のパーツを剝ぎ取りたい、と思った。

ありがちなことかもしれないけど、そこに”ある”と分かるくらいにはある胸部とか、丸っこい手とか、客観的に聞くと意外と高い声だとか。

初めて明確に、女性らしいパーツを無くしたいと思った。

 

では低い声や骨ばった手が欲しいかと言われると、別にそうでもない。

女性らしいパーツはいらないが、やはり男性になりたいわけでもない。

結局自分は何になりたいんだ、と悶々と考えた結果、一つだけ辿り着いた答えがある。

たぶん、本当は人形になりたいんだと思う。

 

別にドールの趣味はないけれど、欲しいなと思ったり、ショップを見に行ったりという興味だけならある。

小学生の頃からゴシック的な、退廃的な物は好きだったし、家にあったフランス人形を眺めるのがやたら好きだったりもした。

もしかしたら陶器だとか、粘土だとか、そういう身体を求めているのかもしれない。

人形は人間よりも、性別を感じにくくさせる身体を持っているから。

そういうのになりたかったのかなぁ。結局よくわからないけれど。

 

兎にも角にも。

人生初のショートヘアは軽くて涼しい。

これから寒くなる季節だけど、まぁ、うん。いいんじゃないかな。